【概 要】:
「横濱花」は、「八八」の横浜地方ルール、という説と「八八(吟味花)」自体が横浜から生まれ、流行していったという説(八八の別名を「横濱花」)がある。
明治の初め頃から戦前迄遊ばれたと思われる。
ここでは、「八八」の地方ルールという説を採用するが、遊技法だけから判断する限りでは、最初「横浜花」でそれから「八八(吟味花)とみる方が自然ではある。
「八八」との違いは、金銭の授受が一回ごと、役の計算が違う、という点である。
【道具】:
八八道具
【人数】:
3人から7人
【遊び方】:
1.配り7枚、場6枚
7人の場合は、白札をいれて49枚として配る。以下「八八」と同じ。
2.遊ぶことを「ヨコハマを引こう」と言った。
3.手役・出来役とも「八八」と同じ、役の計算が違う。金銭の授受が1回ごと。
4.賭金単位
「一二四」(あるいは「二四六」)点数負けは1円、赤短・青短は2円、四光は4円。
素十四があり、四光と同額
15点以内「フケ」赤短・青短と同額
5.手役
20点役 三本(立三本も同じ)、赤、丹一、十一
30点役 光一
40点役 クッツキ、カラス、手四、八子ケン
(50点役 手四、八子ケン とするルールもある。ここでは40点役とする)。
5.手役代の授受は「引き終わって」から札でもらう。
「八八」では「手役は勝負が終わって計算の時、それぞれ差し引きあるいは合算して計算する」となっている。ここでは「出来役は構成されれば勝負を中断し賭金の授受をする。」とあるので出来役ができても最後まで続けると思われる。(尚、「八八」では「中止して…」となっている)
6.追い
前3人出で4人目が単位金(一二四なら1円)を親に払うことにより(追い銭)親の出場権利を買収できる。親も出たい場合は追い銭を追加し次席者を「追う」。
例えば、ABCDEFでやっていて、ABCが出た後DがAに1円支払って出場権を買収する。Aがさらに出たければ2円(計3円)を加算しBに買収交渉し、Bも出たければ4円(計7円)加算しCに買収交渉をする。
あるいは、Dの買収にAが応じ(1円獲得)、とりあえずBCDが出る事になった後EがBに買収交渉する場合もある。Bが応じ(2円獲得)CDEが出になり今度はFがCに4円で買収交渉する。
つまり一巡で最大3回の買収交渉が発生する。ここでは3巡まで規定されていて、2巡目は2倍(2円、4円、8円)3巡目は3倍(3円、6円、12円)であるという。
注:これは北海道で行われている簡易八八の「ぼう」と同じシステムかもしれない。(ただし北海道石狩地方の「ぼう」は賭金のレートが倍倍になっていくもの)。追加の場合は2倍、3倍となる(一二四なら)。
7.寺銭
出来役の際、その収得金の一割。
参考文献:
・「賭博」半澤寅吉著:原書房
・「最後の読みカルタ 改訂増補最終版」山口泰彦著:同
参考URL:
・ギャラリー 花札 http://members.at.infoseek.co.jp/stone2/h-menu.html